4月 「会長先生ご法話」に寄せて

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    今月の会長先生のご法話は「偏った見方を越える」です。

     

    「自分は正しい」という偏り

     

    自分の感情や都合を大事にするそういう見方や受けとり方を、私たちは多かれ少なかれしていると思います。これは、いうまでもなく自己中心の狭い見方です。この見方が高ずると「私の考えが正しい」「自分の判断は間違っていない」といったとらわれや偏見が強くなって、ものごとを正しく見る目がさらに曇ります。

    そこで、そういうものの見方を省みるとともに、自己中心に偏りがちな視野を大きく広げる動機づけともなる、法華経の一節をご紹介しましょう。

     

    「等正覚を成じて広く衆生を度すること、皆提婆達多が善知識に因るが故なり」(私が仏の悟りを得て人びとを救えるのは、すべて提婆達多という善き友のおかげです)

    「提婆達多品」の有名な言葉です。自分を敵視して殺そうとまでした提婆達多のことを、釈尊が感謝の思いをこめてサンガに伝える重要なくだりですが、これは私たちが、偏った見方から大きな見方へと心を切り替える、スイッチのような役割をもつ一節でもあると、私は受け止めています。

     

    田舎で独り暮らしている義父のところへ、ときどき買い物にいったり家の用事などをするために、主人と帰らせてもらっています。

    少し認知症が見られるということです。

    まだまだ元気な義父なのでありがたいのですが、その反面自分の気に入らないことがあると、その思いをそのまま口に出してしまうことがよくあり、デイサービスの方や私たちもほとほと困ること多々あります。

    そのような義父を私は「自分勝手な困った人」という見方をしていましたので、段々と義父とかかわるのが苦痛になってきていました。私のその思いを聞いて頂き、義父とかかわる時に「何か言われたらどうしよう」と避けようとしている心が、余計に自分を苦しめていることに気がつかせて頂きました。

    「何を言われてもいいや!受け入れていこう」思えるようになってくると、少しずつですが義父の言葉があまり気にならなくなっていきました。まだ苦手と思うところはありますが義父を通して大きな心になるチャンスをいただいているのだと思わせて頂きます。

     

    「仏性をひたすらに信じる」

     

    釈尊は、提婆達多からの非難や攻撃という厳しい現実に直面するなかでもまた、心を天にのぼらせて、広く大きな心で提婆達多と向きあったのだと思います。

    すると、その瞬間に「自分を害する人」と見る自己中心の心が、スッと仏性を信ずる大きな心へと切り替わり、すべてに合掌・礼拝せずにはいられなかった―そういう心の切り替えをうながしてくれた提婆達多は、釈尊にとって「善知識」以外の何ものでもなかったといえるでしょう。「みんな仏性」という見方に立てば、偏った見方で人を傷つけたり、争ったりすることはありません。人を批判する前に、「そうか、あの人も仏性なのだ」と思い返すきっかけがあれば、偏った見方をして悩むこともないのです。

     

     ただ誤解されやすいのですが、仏性を信じるというのは、相手のいいところを見ることではありません。相手を、まるごと仏性として拝むことです。すべての仏性をひたすら信じるなかで、私たちは矛盾や葛藤とも向きあい、人として成長していくのだと思います。

     

     義父はデイサービスに通い始めて5年ほどになりますが、職員の方から義父の言動に対して「困っているので、どうにかしてほしい」とよく電話をいただきます。私はあきれたり怒ったり、困っていました。

    たまに義父が自分の本心を話してくれるときがあり、家のために自分の思うように生きてこられなかったことに不満を抱きながら、人生を歩んできたことを知りました。そして私たち子どもに対しての思いの深さもわからせていただきました。

    義父のその思いに有難さを感じつつも、目の前にいる義父を見ると相変わらず好き勝手な言動をして、周りの人たちを困らせています。その姿を見ると話してくれたこととの矛盾に悩みました。

    しかしどの姿も義父なんだと教えていただき、すべてを受け入れていこうと思いました。

    今は、受入れようとする心と、避けようとする心のいったりきたりですが、デイサービスからの「どうにかしてほしい」との電話にも、まずお世話になっていることに頭を下げ、お礼を申し上げることができ、謙虚にならせてもらえる、父の言動に右往左往しない自分つくりをさせていただける、父がいてくださるおかげで私は成長させて頂ける修行の機会を与えて頂いています。

     

    今年の元旦参りで、開祖さまから頂いたお言葉は

    「まわりの人をあたたかい目でみていく、あたたかい言葉をかけていく、あたたかく手をとっていく…こうしてまわりの人たちを大事にしていくことが、いまを大切に生きることほかならないのです」

    と頂きました。

    父の仏性を信じて、あたたかい人になれるように精進させて頂きたいと思います。

      

                   合掌

     

                     滋賀教会 甲賀支部 Ⅿ・K



    (会長先生ご法話 佼成4月号より引用)

    当月の会長先生のご法話はこちらからご覧いただけます

     https://www.kosei-kai.or.jp/2020/?cat_slug=kaicho-howa



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