9月「会長先生ご法話」に寄せて

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     今年の八月は猛暑日がつづき、早く涼しくなるのを待ちこがれて
    おられる方も多いのではないのでしょうか。せみの鳴き声も「ミー
    ンミーン」から「ツクツクボーシ」へと、夜には虫の声が聞こえて
    きます。夜空を見上げると月の美しさに目をひかれます。月ごよみ
    では九月を長月(ながづき)といいます。
    由来は夜がしだいに長くなる「夜長月」が、略されたといわれてい
    ます。
    今月は「老いの輝き」という会長先生のご法話を頂戴し、そのテー
    マを持って充実した日々を過ごさせて頂きたいと思わせて頂きます。

      老いの輝き
       ―本来の面目―

    いま日本には、後期高齢者と呼ばれる七十五歳以上の人が千六百四
    十一万人いるそうです。私もそのうちの一人ですが、この後期高齢
    者の「後期」という言葉に「光」と「輝(く)」の二文字をあてて
    「光輝高齢者」と書いた素敵な書面をいただいたことがあります。
    七十五歳をすぎて、ますます光り輝くー高齢者が元気に活躍するイ
    メージが伝わり、気持ちが明るくなります。
    「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 涼しかりけり」。
    道元禅師の有名な歌です。この歌は、春夏秋冬のそれぞれが、あり
    のままに独自の輝きを放っていることを伝えています。すべてが天
    地自然のはたらきであり、それぞれがすばらしいということでしょう。
    つまり、元気に活躍することもさることながら、自分がいまあるこ
    とそのものに目を向け、そこに映る輝きや有り難さに気づいている
    人こそ、ほんとうの意味で光り輝く高齢者というのではないかと思
    うのです。

     滋賀教会の六十五才以上の法輪クラブの方々を拝見していますと
    年齢を間違っておられるのではと思うぐらいのパワーを感じさせて
    頂きます。震災の募金をされた時もバザーを開催され、バザーの出
    品物はすべて手作りの物をそろえられます。それぞれ得手とされる

    方々から、バザーの時には沢山の手作り品が揃えられて、真心のこ
    もった募金活動に法輪クラブが、ひとつになって取り組まれています。
    そのような、すばらしいお姿をお手本にさせて頂き継承させて頂きた
    いと思わせて頂きました。
     

      菩薩の輝き
    老いには、ほかの世代にはない輝きがある一方で、つらいと思わせら
    れる現実があることも否定できません。当人のみならず、高齢の家族
    の介護をされている人からすれば、人にはいえない苦労や複雑な思い
    を抱え、愚痴をこぼしながら、それでも「元気になってほしい」と願
    う。そういうあなたの深い思いやりの心を呼び覚ましてくれたのは、
    間違いなく介護を必要とするその家族です。だとすると、介護をする
    人の慈悲心に灯をともすきっかけとなった家族の姿こそ、光輝いてい
    ると形容するにふさわしいと私は思います。
    たとえ寝たきりの人であっても、光り輝く菩薩として、まわりにいる
    人たちの心田を耕す犂となり、鍬となっていることを忘れてはならな
    いのです。開祖さまは、「自分が生きていることがそのまま布施になる
    ような人生を送りたい」といわれましたが、私たちには、生きる姿を
    とおしてさせていただける布施もあるのです。教会道場で学んだ仏さ
    まの教えを家庭や社会で発揮する。それが一人ひとりの生きがいとな
    り、周囲からも喜ばれる。
    道場で見られるそのような光り輝く高齢者は、きっと若い世代の方々
    の目標となり、地域においても大切な役割を果たすのではないでしょ
    うか。

     
    信者さんの中にも自宅で介護されている方や施設に預かって頂いて
    いる方もいらっしゃいます。私の実家では母が祖父を介護をしていた
    時、母の大変さを見ていながら母を手伝ってあげる事もなく、側に寄
    る事もしなかった事を思い出し、今は祖父と母に対して申し訳なく思
    っています。ご法話の中に、「教会道場で学んだ仏さまの教えを家庭や
    社会で発揮する」とのお言葉の中で、私が祖父や母にかけられなかった
    、やさしい、温かい言葉をふれ合う方々にかけられる私になれるよう、
    精進させて頂きます。

     
                        
     合掌
                      東近江支部 支部長

                   (会長先生ご法話 佼成9月号より引用)


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